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ZERO 2.2:テキストプロンプトによる検出精度を向上、日本語を含む自然言語プロンプトにも対応

Superb AI Japan

2026/08/13 | 9 min read

ZERO 2.2:テキストプロンプト

Superb AIの産業特化型Vision Foundation Model「ZERO」が2.2へアップデート。テキストだけで対象物を検出できるプロンプトベースの検出精度と、日本語・韓国語を含む自然言語の理解性能を向上。これまでのAIは、新しい対象物を検出するたびに「データ収集 → アノテーション → 再学習」が必要でした。ZEROなら、「何を検出したいか」をテキストや画像で指定するだけ。追加の学習をせずに、新しい対象物の検出を始められます。

ZERO 2.2は現在、Superb Platformの「Labs」からインストールや追加学習なしですぐに利用できます。また、AWS Marketplaceからも利用可能です。

ZERO 2.2で何が変わった?

1. テキストプロンプトによる検出精度を向上

テキストで指定した対象物の検出精度が大幅に向上しました。

従来バージョンでは、複数の対象物が写っている画像において、一部の対象物を検出できないケースがありました。ZERO 2.2では、こうした見逃し(Missed Detection)を明確に削減しています。半導体製造ラインの画像に対して、テキストプロンプトとして「blue chip」と入力すると、画像内のチップを検出できます。ピントがやや合っていない領域にあるチップも検出対象として認識します。

製造現場では、製品や検査対象が頻繁に変わるケースがあります。従来であれば、新しい対象物を検出するために画像データを収集し、アノテーションを行い、モデルを再学習する必要がありました。ZEROでは、検出したい対象をプロンプトで指定するだけで、新しい対象物の検出を開始できます。


2. 日本語・韓国語・自然言語によるプロンプト理解を強化

単語だけでなく、対象物の特徴や状態を含む自然言語のプロンプトにも対応しています。また、日本語や韓国語など、現場で実際に使用している言語によるプロンプトをそのまま利用できます。

「チーズ」と入力して食品工場の製品を検出

食品工場のコンベア画像に対して、韓国語の「チーズ」と入力すると、ライン上を流れるチーズを検出できます。

「カップラーメン」で商品を検出

コンビニエンスストアの監視カメラ映像に対して、「カップラーメン」と入力すると、棚に陳列された商品だけでなく、顧客が手に持っている商品も検出できます。

英語に翻訳してからプロンプトを入力する必要はありません。

現場で普段使っている言葉を、そのままプロンプトとして利用できます。

色や服装などの特徴を含む自然言語にも対応

単一の名詞だけでなく、色や服装などの属性を含む自然言語による指定にも対応しています。

例えば、人が多数いる場所で、「オレンジ色のジャケットを着ている人」と指定すると、その条件に一致する人物だけを検出できます。この機能は、セキュリティや監視、施設管理など、特定の属性を持つ対象だけを検出したい業務で特に有効です。

3. 信頼度スコアの差を明確化し、現場での運用を容易に

AIによる物体検出を実際の業務に導入する際には、信頼度(Confidence Score)のしきい値設定が重要になります。しきい値を低く設定すると、誤検出(False Positive)が増える可能性があります。一方、しきい値を高く設定しすぎると、見逃し(False Negative)が増える可能性があります。そのため、実際の現場では、正しい検出と誤った検出のスコアがどれだけ明確に分かれているかが重要になります。ZERO 2.2では、正しい検出と誤検出の信頼度スコアの差を従来より明確化しました。内部テストでは、従来バージョンでは約0.1という低いしきい値を設定する必要がありましたが、ZERO 2.2では0.2~0.3程度の範囲で安定して動作します。

これにより、現場導入時に必要となるしきい値の調整作業を簡素化し、AIモデルを実際の業務へ展開する際の運用負担を軽減します。

4. 画像プロンプト:1つの例から同じ対象物をすべて検出

対象物によっては、名前や言葉だけでは正確に指定することが難しい場合があります。

ZERO 2.2では、こうしたケースに対して**画像プロンプト(Visual Prompt)**を利用できます。画像の中から対象物を1つ選び、ボックスで囲むだけ。ZEROがその対象物を基準に、画像内にある同じ種類の対象物をすべて検出します。

トマトを1つ選ぶだけで、トマトだけを検出

野菜や果物が混在した画像で、トマトを1つボックスで指定すると、色や形が似ている柑橘類やカボチャなどを除外し、トマトだけを検出します。

店頭の商品を1つ選択して、同じ商品をすべて検出

コンビニエンスストアの棚でも、対象となる商品を1つ指定することで、同じ商品の陳列単位をまとめて検出できます。

この方法は、まだ一般的な名称が定着していない新商品や、名前だけでは区別しにくい類似製品などを検出する場合に特に有効です。


CVPR 2026で世界1位を獲得した技術をZERO 2.2へ

ZERO 2.2で強化された技術は、国際的なコンピュータービジョン研究の場でも評価されています。2026年6月、Superb AIは世界最大規模のコンピュータービジョン国際会議CVPR 2026において、Foundational Few-Shot Object Detection Challengeで1位を獲得しました。このチャレンジでは、X線、熱画像、航空画像などを含む20の専門分野を対象に、各クラスわずか10枚のサンプル画像を使って物体を検出する性能が競われました。Superb AIはmAP 53.9を達成し、2位の51.6、主催者ベースラインの33.3を上回りました。さらに、7つの評価カテゴリーのうち5つで1位を獲得。2025年の同チャレンジでは4位だったところから、2026年には1位へと順位を伸ばしました。※ Few-Shot Object Detection Challenge 3年間の変遷:グローバルビジョンAIの競争構図を読み解く

産業現場向けに設計されたVision Foundation Model

ZEROは、産業現場での利用を前提として開発されたVision Foundation Model(VFM)です。

約10億枚の画像から構成されるSuperb AI独自の産業画像データセットから、約90万枚の厳選された画像を使用して学習しています。さらに、37の産業用データセットで評価を行い、既存のオープンモデルを上回る性能を確認しています。

学習データの構成や評価結果については、arXivで公開されている技術論文(英語)でも確認できます。technical paper on arXiv:2507.04270.


なぜZERO 2.2が重要なのか?「学習から始めない」Vision AIへ

Vision AIを現場に導入する際、最も大きな負担となるのは、必ずしもAIモデルそのものではありません。大きな負担となるのが、データ準備です。

従来のVision AIでは、新しい検出対象が追加されるたびに、

データ収集 → アノテーション → 学習 → 評価 → 再学習

というサイクルを繰り返す必要があります。

特に製造業では、製品や部品、検査対象が頻繁に変わるため、この作業がAI導入・運用の大きなボトルネックになることがあります。ZEROは、この従来のサイクルをプロンプトによる対象物指定へと置き換えます。テキストを1行入力する。または、画像から対象物を1つ選択する。それだけで、新しい検出対象の検出を開始できます。


ZERO 2.2が活用できる産業現場

「追加学習なしのプロンプトベース検出」は、検出対象が頻繁に変化する現場で特に有効です。

製造業・品質検査

製品、部品、異物、欠陥など、検査対象が変わるたびにAIモデルを再学習する負担を軽減できます。

物流・在庫管理

商品や荷物など、取り扱う対象物をテキストや画像プロンプトで指定し、柔軟な検出に活用できます。

セキュリティ・監視

人物の服装や色など、特定の属性を含む自然言語プロンプトを使って対象を絞り込めます。

小売・店舗分析

店舗の商品棚から特定の商品を検出するなど、商品構成が変化する環境でも柔軟に対応できます。


ZERO 2.2を利用する2つの方法

1. Superb PlatformのLabsですぐに試す

ZERO 2.2は、Superb PlatformのLabsから利用できます。

サンプル画像や手元の画像をアップロードし、テキストプロンプトまたは画像プロンプトを指定するだけで、検出結果を確認できます。

インストールやインフラ環境の構築、追加学習は必要ありません。

まずは手元の画像でZEROの検出性能を確認し、実際の業務への適用可能性を検証できます。

2. AWS Marketplaceから既存のクラウド環境へ導入

ZERO 2.2はAWS Marketplaceからも利用できます。

Amazon SageMakerのエンドポイントとしてデプロイし、API経由で呼び出すことが可能です。

すでにAWSを利用している企業であれば、既存のAWSアカウントを利用して導入できます。

利用量に応じた料金体系となっており、無料トライアルも利用できます。

ZERO 2.2で、Vision AIの導入方法を変える

AIを導入するたびにデータを集め、アノテーションし、モデルを学習する。これまでのVision AIでは、このプロセスが当たり前でした。ZEROが目指すのは、その前提を変えることです。

「検出したいものを、AIに言葉や画像で伝える。」

それだけで、新しい検出対象に対応できるVision AIへ。

ZERO 2.2では、テキストプロンプトによる検出精度、日本語・韓国語を含む自然言語の理解、信頼度スコアの分離、画像プロンプトによる検出性能をさらに向上させました。

特に、製造業の品質検査、物流、小売、セキュリティなど、現場で検出対象が頻繁に変化する業務において、AI導入・運用にかかるデータ準備や再学習の負担を軽減します。

Superb AIは、ZEROをはじめとするVision AI技術を通じて、現場の画像データをより迅速にAIで活用できる環境を提供します。


あわせて読みたい:CVPR 2026シリーズ

Part 5:データ不足で止まったAIプロジェクトを、わずか10枚の画像から再始動する方法

FAQ

ZEROとは何ですか?

ZEROは、Superb AIが開発した産業特化型Vision Foundation Model(VFM)です。

テキストプロンプトや画像プロンプトを使って、明示的に学習していない対象物も検出できます。新しい対象物を検出するたびに、個別のデータ収集、アノテーション、モデルの再学習を行う必要がないことが大きな特徴です。

ZERO 2.2では何が改善されましたか?

ZERO 2.2では、テキストプロンプトによる検出精度、見逃しの削減、日本語・韓国語を含む自然言語の理解、信頼度スコアの分離性能、画像プロンプトによる検出性能が向上しました。

ZEROは日本語のプロンプトに対応していますか?

はい。ZERO 2.2では、単語だけでなく、色や服装などの属性を含む自然言語によるプロンプトにも対応しています。例えば、「オレンジ色のジャケットを着ている人」のように、対象物の特徴を含めて指定できます。

ZERO 2.2はどこで試せますか?

Superb PlatformのLabsから試すことができます。

画像をアップロードし、テキストまたは画像プロンプトを指定するだけで検出結果を確認できます。また、AWSを利用している企業は、AWS MarketplaceからAmazon SageMakerのエンドポイントとしてデプロイできます。

ZEROの性能はどのように検証されていますか?

ZEROの基盤技術は、CVPR 2026 Foundational Few-Shot Object Detection Challengeで1位を獲得しています。Superb AIはmAP 53.9を達成し、2位の51.6、主催者ベースラインの33.3を上回りました。また、37の産業用データセットで評価を行い、既存のオープンモデルを上回る性能を確認しています。








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